症状チェック(肩の痛み)

症状チェック
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この痛みは頸の痛みの項で述べましたように頸の病変(頸椎症、頸椎椎間板ヘルニ
ア等)が原因の場合と肩自体の病変が原因となる場合があります。前者が原因の場合は頸の病変の治療を行います(頸の痛みの項を参照してください)。ここでは肩が原因の痛みについて解説致します。

肩関節周囲炎 (かたかんせつしゅういえん)

50歳前後に生じることが多い肩の痛みのため通称五十肩ともいわれます。腕を動かそうとすると肩に痛みが出てきます。これといった原因が特定されないのですが肩の周囲組織の加齢による変化の結果とも言われています。約1年以内に自然治癒することが多いのですが夜痛くて寝られない場合もありペインクリニックの治療対象となります。肩甲上神経ブロック、トリガーポイントブロックを行います。肩関節内にヒアルロン酸注入も行います。急性期の傷みの強い場合は肩関節内に局所麻酔薬や副腎皮質ステロイド薬の注入も行います。

石灰沈着性腱板炎 (せっかいちんちゃくせいけんばんえん)

夜に急激な激しい痛みが起きて発症することが多い肩の痛みです。肩の前外側をおすとすごい痛みがあります。レントゲンではこの圧痛部に石灰沈着が診られます。肩甲上神経ブロック、鎖骨と上腕骨の間の関節(肩峰下滑液胞)へ局所麻酔薬や副腎皮質ステロイド薬の注入を行います。

上腕二頭筋長頭腱炎 (じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)

上腕二頭筋は力こぶの筋肉で肘を曲げる働きがあります。この筋肉の腱が肩の前の方を通って関節の中にくっついています。この通過部分に炎症が起きている時に肩の前の方の痛みが起きます。五十肩として扱われる場合も多いのですが炎症がある部位(おすと痛いところ)に局所麻酔薬と副腎皮質ステロイドを局注すると奏功します。

腱板損傷(けんばんそんしょう)

肩を動かす筋肉や腱の損傷です。多くは転倒時に手をついたりした外傷により起こります。肩を動かすときに痛みが走りますが、重症の時は腕をあげられなくなります。軽症の時はヒアルロン酸の肩関節内注入や軽いリハビリテーションで経過を見ますが、筋肉や腱が大きく切れている場合は手術が必要になります。MRI検査により診断ができます。高齢者の場合は原因なく起きる場合があるので注意が必要です。

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